

着実に技術に磨きをかけて。小さな積み重ねが大きな変化に至る
今回の先達:佐野曜子さん(53歳)、佐野猛さん(56歳) (ガラス作家、 Glass Studio SANOSANO主宰) 聴き手:山川純子(ライフキャリアアドバイザー/捨てるキャリアコンサルタント) 前編は「プレッシャーを感じ続けた創作活動。50歳を過ぎてようやく独自の境地に」 曜子さん:能登のガラス工房で働いているうちに、自分の作品を創りたいという欲が出てきました。そう思ったときに、きちんと基礎を学びたいと考えて、ふたりでオーストラリアに留学しました。作品を創ったりレポートを書いたりしているうちに、ガラス作家としてやっていけそうだという自信を得ることができました。 猛さん:そこで学んだ表面加工の技術が、じっくり物事に取り組む曜子さんのペースに合っていたんでしょうね。そこでは、技術を学ぶだけではなく、なぜガラスに携わるのか、どんな作品を創りたいのかということもしっかり考えさせられるんです。それも良かったと思います。「織の器」の技術は、すでに在学中に完成されていたと言えるかもしれません。 曜子さん:確かに、ずっと同じようなことをしてきましたが、そ


プレッシャーを感じ続けた創作活動。50歳を過ぎてようやく独自の境地に
今回の先達:佐野曜子さん(53歳)、佐野猛さん(56歳) (ガラス作家、Glass Studio SANOSANO主宰) 聴き手:山川純子(ライフキャリアアドバイザー/捨てるキャリアコンサルタント) 富山でガラス工房を営む佐野ご夫妻。曜子さんとは、会社にお勤めされていたころから30年来のお付き合いです。東京近郊のギャラリーでおふたりが作品展を開くときには、都合がつけば足を運んできました。 数年前の曜子さんは、これからの方向性に迷って少し疲れているような様子が見受けられたのですが、昨年お会いした時には、これまでにない作風のガラス器も手掛けられ、「まだまだやれるわ」と爽やかな表情でおっしゃいました。 この間にどのような変化を経験されたのかお伺いしたく、おふたりにインタビューを申し込みました。 ☆ Q.前々回と前回とでは、お会いした時の様子がずいぶん違いますが、この数年で仕事の仕方や考え方に変化がありましたか? 曜子さん:そんなに違って見えましたか。自分では気づいていませんでした。 数年前といえば、体調が良くなかったのに、仕事も家事も完璧にこなそうとし