時には、失踪してみますか(笑)
NHKプレミアムドラマ「全力失踪」。
その前の「定年女子」に続いて、楽しく見ています。
主人公の磯山武は、妻子や同僚・上司から下に見られて、
何ともやりきれない状況に加え、借金に追われる日々。
ひょんなことから、7年間行方不明だった人間は死んだものと
みなされるということを知って、完全失踪を企てます。
新しい人生を手に入れるんだ、というわけですね。

ドラマは、1話完結で、
フーテンの寅さんのような旅先での人情物語になっています。
やり手じゃないけど、人間として信頼できる、すごくいい人な磯山が、
旅先では、家族の問題を解決する「いい仕事」をしています。
ドラマは毎回、磯山が借金取りに追われて走り逃げる場面で終わります。
「どこかにある本当の自分の居場所を探して」とかなんとか。
「どこかに本当の自分の居場所なんてあるんかい」と
私は内心突っ込んでいるのですが、磯山が言っていました。
「(慣れ親しんだ生活を)捨てるのは怖かったけど、
捨ててみたら自分らしく自由になれて良かった」と。(うろ覚えです)
番組のスタッフブログには
「自由の意味、家族のあり方、生きることの本質を、 真正面からではなく、ちょっとナナメから問いかける」とあります。
ここで生きるしかないと窮屈な思いをしているなら、無理をして頑張るより、
たまには(象徴的な意味で)失踪してみるのも、いいかもしれません。
長期休暇を取って旅行したり、
研修やボランティアに個人的に参加したりする。
そこで、いつもなら出会わない人と出会い、
いつもと違う時間の使い方をしてみると、
「ここしかない」と思っていた場所や状況が相対化されますし、
新しい役割を経験して、自分を再発見できるかもしれません。
「ここ」にもどってきた時、余裕をもって自分らしく
いられるようになりそうですね。
磯山はといえば、8回シリーズで残りは3回。
どんな結末になるのでしょうか。