時間が盗まれるに任せない

いつからこんなに忙しくなってしまったのか、と思うことがあります。たとえば、小学校1年生で年賀状を石膏版画で作って以来、35歳頃までは毎年、数百枚の年賀状をゴム版画で作っていました。図案を考えて彫る。何色も色を重ねるために、乾くのを待つ。一人ひとりにメッセージを書く。よくそんなにも悠長なことができていたものだと思います。

年賀状は、やがてパソコンで裏表を作るようになり、この数年は思いきって枚数を減らした上で印刷を頼んでいます。

時間の使い方に関して気持ちの余裕が失われ、楽しいはずの休暇にも急かされるように時間を使うようになってしまったのには、やるべきことが増えたことも一因であろうと思います。しかし、それ以上に、パソコンや、今ではスマホやタブレットによって、多くの情報を得られるようになったことが大きいと考えています。

インターネットによって、必要な情報を探したり買い物をしたりする時間は、圧倒的に短縮されました。その一方で図らずも費やしてしまう時間が増えてしまったのです。

最初は必要に応じて調べていたつもりが、言葉巧みに興味を喚起されて情報を追いかけてしまう時間。情報が薦めるイベントに参加する時間。本を読む時間。SNSなどで情報を発信する時間。つながっている人に反応する時間。

もともと好奇心が強く新しいもの好きな性格です。世の中には面白いことが多いので、何を選ぶか、絞り込むのが大変です。

そのような状況の中で、自分の仕事をしつつ落ち着いた時間を過ごすには、情報に反応することに多くの時間を割いている場合ではないという思いが強くなりました。それとともに、「それは今必要なこと?」と自分に問いかける回数が増えました。

それでも、さまざまな寄り道をしてしまい、それが楽しかったり、思いがけない情報を得ることにつながったりするので、寄り道の効能を否定することもできずという葛藤があります。

ファーストリテイリングの柳井正さんが社内研修で使っているという『経営者になるためのノート』に「本道以外のことは慎むように」というようなことが書かれていました。その言葉が胸に刺さりました(笑)

世の中には楽しいこと、面白いことが多すぎます。ただし、それは、本当に自分自身が望んでいることなのか、ただ釣られているだけなのか、きちんとわきまえておかなければ、どんどん時間を盗まれて、自分の人生を生きるための時間がなくなってしまいますね。用心、用心。


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山川純子(やまかわじゅんこ)

有限会社インタリスト

 

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