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転機は忘れたころにやってくる? 泥縄式では間に合わない

人材業界の方とお話をしていた時のこと。

私は、転機を乗り切るための支援が必要な方と、自力で乗り切れる方がいるという考え方をしていましたが、その方は「でも、転機はだれにでも起こりますよね」とおっしゃいます。

分岐点 転機でどのような選択をしますか?

確かにその通り。

考えてみればあらゆる物事に精通した人は少ないわけで、転機に直面したとき、自分で対応できることもあれば、何らかの支援を要する場合もありえます。自分でできることであっても、人の力を借りた方がよりうまく乗り切れることもあるでしょう。

米国のシュロスバーグ博士によれば、転機とはできごとが起きることや起きないことによって引き起こされる変化のこと。役割、人間関係、ライフスタイル(生活習慣)、自分自身への見方のうち、1つ以上の変化が起これば転機であると言っています。

地方に転勤することになり(できごと)、単身赴任して生活が変わったり(生活習慣の変化)、昇進できなくて(できごとが起こらない)、今の仕事に向いていないかもしれないと思ったり(自己概念の変化)すれば、それは転機であるということですね。

シュロスバーグ博士は、変化を受けとめ、自分のリソースを活用して、戦略的、計画的、主体的に対処することが、転機を乗り越えるのに役立つと言いますが、私が強く思うのは、予め備えておくことの重要性です。

どんなに戦略的に計画を立てて、主体的に乗り切ろうと思っていても、ことが起きてから考えていたのでは、時間切れによって不本意な選択肢を選ばざるをえなくなってしまいます。

転機は、地震のようなもので、いつ起こるか時期は正確に予測できなくても、起きそうなこと(起きなさそうなこと)はおおよそ予想がつくものです。自分の異動、親の介護、子どもがいれば進学や就職、自分や家族の病気や事故など、そのとき、どうするか予め考えて、最低限の備えをしておくだけでも、慌てず冷静に対処できますよね。

たとえば、親御さんが元気なうちからご本人の希望を聞いたり、家族や親せきで話し合ったり、さらには利用できる会社の制度や公的・民間の支援サービスを確認したりしておけば、介護離職を避けることもできるでしょう。

転機は、キャリアを飛躍させるきっかけにも、残念ながらリセットするきっかけにもなります。積み上げてきたキャリアを棒に振ってしまわないよう、転機への備えをお忘れなく。


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