社会的な変化によって仕事を失う理由
振り返れば、産業や職業のあり様はずいぶん変わってきました。特に最近は、技術の進歩や科学的な新発見に伴って、社会的な変化が加速しているように感じています。そのためか、職業的な変化に警告を鳴らす記事や書籍が目につくようになりました。先日は、某出版社のブログに目が留まり、つい読んでしまいました。
その記事は、人から仕事を奪う理由を取り上げたもので、3つ挙げていました。
1.供給過剰 2.技術革新 3.消費者の行動変化
私にとっては、いずれも身につまされるものばかりです。
<供給過剰>
美容院や歯科医は経営が成り立っているのだろうかという心配は他人事で済みますが、国策としてキャリアコンサルタントの数は増えていますので、その中でどう仕事を得ていくか、生み出していくかは死活問題です。同様の問題は、難関資格と言われている会計士、税理士、社労士等でも起こっていることは、それらの専門家と接する機会を通して感じられます。
供給過剰な職業の例として、コンサルタントも挙げられるでしょう。若者が憧れる職業の一つですが、ミドル・シニア世代の方が退職後の選択肢として考える職業でもあるでしょう。経験を活かせて、特別な資格は必要ありませんし、大きな設備投資も不要な参入障壁が低い職業です。ですから、仕事を得るには厳しい競争があるといえます。

<技術革新>
先日、自動車修理工場の作業の内容が変わってきたと聞きました。クルマの性能が上がったので、大きなへこみを直すような依頼は減って、擦り傷の補修が増えているのだそうです。業界に関わっていなければ、気づかないところで、変化は進行しているものですね。
また最近では、仕事の内容に大きな影響を与えるものとして、AIが注目されています。たとえば、いずれ法律的な問題は、弁護士や行政書士ではなく、優秀なマシン(AI)を所有し、マシンから答えを引き出すことに長けた専門家(会社)に相談することになるかもしれませんね。
<消費者の行動変化>
ネット通販に実店舗の売上が奪われ、産業構造が変化していることは、自らの消費行動を振り返れば明らかなことですし、物を所有からシェアへ、あるいは物の消費から体験の消費と価値観が変わってきたということも、だいぶ耳慣れた話になってきました。
人生90年時代をどう働き、どう生きるのか。成り行き任せでは済みそうもありません。