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長生きリスクに備えるのは、早いほど有利

長生きリスクという言葉をちらほら耳にしていましたが、「長生きリスクの増大」というレポートに現状がわかりやすく整理されています(「生活福祉研究 通巻 93 号 February 2017」明治安田生活福祉研究所 生活設計研究部 心光勝典主任研究員)。私たちがどのようなリスクに直面しているか、再認識することができました。

想定 していた以上に長生きすることによる生活費の負担に加え、医療費用や介護費用などの 負担により老後の蓄えを使い果たしてしまう「長生きリスク」が増大していると、心光研究員は書いています。

レポートの内容をひきますと、「長生きリスクが増大している背景には、公的年金のみでは老後の生活費を賄いにくいにもかかわらず、引退時(60 代)の貯蓄額が不十分なこと」、その要因として、「晩婚化・晩産化」、「退職金の減少、低金利の長期化、可処分所得の減少、生涯賃金の減少」があげられています。

高齢になってからも働く理由が、社会とのつながりを持つ、健康維持、働き甲斐といったことから、経済的な側面が色濃くなっているという変化を、私も実際に周りの方々の様子から感じ取っています。何よりも私自身が、年金だけでは生活できそうもないし、蓄えも少ないから、元気なうちは働かなくてはと思っている一人でもあります。

平成27年(2016年)の簡易生命表(厚生労働省)によれば、65歳での平均余命が男性は19.46年、女性は24.31年で、これは年々伸びています。65歳というのは、高年齢者雇用安定法で企業に対して従業員の雇用が義務付けられている年齢ですので、仮に65歳で引退すると、生まれた子が成人し、社会人になるだけの年数を、生活していくことになるのですね。

レポートでは、「長生きリスクの対策として、早期に積立を開始し引退時の貯蓄額を増やすこと、世帯内で働く人を増やすこと、高齢になっても働くこと、老後の収支計画を立てること」が推奨されています。

若い頃には具体的にイメージがわかなかった老後も、40代では意識にのぼりはじめ、50代では切実な現実となって目の前に迫ってきます。まずは今すぐ、老後の収支計画を立ててみることでしょうか。そして、長く働く必要がありそうなら、人材としての価値を高めたり維持したりするためのキャリアプランニングも、ぜひあわせてやってみたいものですね。老後にゆっくり花見を楽しむためにも。

齢をとってからの花見は格別


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